「祝いの花茶」で造る創立3周年記念酒
2021/07/22
先週からはじまりました「三茶3周年PROJECT 」。
すでに多くの方に「《記念Tシャツ付き!》SANGENJAYA BREWERY3周年記念セット」をご注文いただいており嬉しいです。
まもなく発送開始してまいりますのでお楽しみに!
本日は、今週末7/23金に発売開始する「三軒茶屋醸造所創立3周年記念酒」について!私、広報のSakiが杜氏の戸田くんに想いを聞いてきました。
今回も、素材のお茶を実際に香りを楽しんだり、火入れ前のお酒を飲みながらのインタビューです!
<目次>
1.3年間を締めくくる、祝いの花茶
2.3年目だからこその挑戦、flowerシリーズ
3.3種類の花茶
4.香り高く、凛とした豊かな味わいの特別酒
1.3年間を締めくくる、祝いの花茶
―戸田くん、今日もよろしくね!こちらが周年酒ですか!戸田くん:よろしくお願いしますー!そうです。できたてほやほやですね~。
―ボトル、デザインすっきりしたね!黒いボトルに裏ラベル含めてステッカーが3枚!
まさにそこは、今回のお酒のコンセプトに通じるところです。今回は、いつもよりも高品質な素材を選りすぐってお酒にしているので、そこが伝わるようにシンプルな外観にしました。
―なるほど!それでこのシンプルさなんだね。
これまでの周年酒では、僕たちが取り組んできたボタニカルSAKEの技術の総決算だったり、全く想像がつかないような新しい取り組みを行ってきました。
しかし今回は3周年にあたり、そういった側面だけでなく、酒としての品格を追求し、ボタニカルSAKEを1つの文化的強度をもったものとして仕上げていきたいという思いが強く持ち挑みました。
―コンセプトでいうと、いつも三軒茶屋醸造所の周年酒は「お茶」を軸にして展開をしていたね。
そうですね。2年前の1周年では黒茶/緑茶/ジャスミン茶の3種の茶葉と、出羽燦々/つや姫/南仏カマルグ産米の3種のお米を使っていました。初代杜氏の翔也さん(今井翔也)のときですね。
―ちょうどパリ醸造所を立ち上げていた時期だったね。
1年前の2周年では、紅茶/青茶/緑茶の3種の茶葉と、黄麹/白麹/黒麹の3種の麹をつかっていました。ここからは自分の代です。
―お茶っ葉だけじゃなくて、麹も含めて6色の素材を使ったの、ほんと天才だと思う。
ありがとうございます笑。周年酒って、これまで向き合った素材技術の集大成の結晶化として造り上げているんです。
―たしかに、お茶への挑戦も、製麹への挑戦もちょうどその年度だ。そうすると、今年のテーマは...?
今年はずばり、「花×茶」です!「3年間を締めくくる、祝いの花茶」のイメージですね。
―お花!たしかに、お花に挑戦しはじめたのって、わりと最近だったのか!
この3年目の1年間で、花をつかったボタニカルSAKEは4作造ってきました。
2.3年目だからこその挑戦、flowerシリーズ
この1年間は、「生の花」をつかう醸造にチャレンジした年でした。「FONIA flower ~violet~」では、エディブルフラワーである生のビオラを。「FONIA flower ~Spring Bouquet~」と「FONIA flower ~Sakura&Berry~」では、それぞれ梅の花と桜の花は、自分で摘みにいきました。
―たしかに、あのときは醪に生のお花を直接いれていたね。
フレッシュな素材を使うことで、フレッシュなお酒をつくることができました。
本来、花は繊細な素材です。生を使わないと香りがでにくいのに、生の花の寿命は短く保存方法は難しい。塩漬けや乾燥して保存された場合の多くは、香りが出づらくなってしまいます。
―桜の塩漬けとかはまさにその保存方法だよね。塩分濃度を高くして保存する。
そうなんです。なので、3年目を迎えるまで挑戦をしてこなかった素材が 生の花です。
世界からみると、日本は温暖湿潤。発酵させることで食物を保存することに長けていますが、中国などでは漢方をはじめとして乾物のテクニックは目を見張るものがあります。そして、お茶はまさに乾燥させて保存する技術です。
そういう技術でつくられた「花茶」であれば、香りを強く出しながら仕上げられます。さらに、生とは全く違った、中国の長い歴史の中で価値を認められてきたほどの品格も表現できるのでは無いかと考えました。
―なるほど。生の花だと入手時期なども限られてしまうけど、お花単体ではなく、お茶として加工された花だからこそのいいこともたくさんあるんだね。
3.3種類の花茶
その中でも、今回は「四川ジャスミン茶」「菊茶」「ホーリーバジル」を選びました。
―おお、ジャスミン茶はよく聞くけど、あとふたつは中々聞きなれないね。
ジャスミン茶はけっこうお馴染みですよね。
多くのジャスミン茶では、緑茶にジャスミンの花を重ねることで着香しています。豊満な香りが魅力ですが、この手法だと花の汁が茶葉につくことで酸化が起こりやすく雑味の原因にもなると言われています。
今回のジャスミン茶は、葉と花をそれぞれ別で乾燥させる製法。酸化がいっさい起こらず、ピュアな香りを楽しむことができます。
―めっちゃいい香り。。。!葉っぱと一緒に、白い花びらも入っているのが見えるね。これはお酒にはどの段階で加えているの?
醪の発酵後期です。他の2種類の花茶も同様で、いずれも香りが飛ばないようにこのタイミングでいれています。
―ほうほう。お酒でも、ジャスミンのいい香り!
次が、菊茶ですね。華やかな香りもありつつ、結構クセのある香りも同居しています。
―見た目も香りもおもしろい!ほんとに菊のお花だね。
このクセを活かして、ボディを強くする要素としてつかっています。また、菊茶にはプーアル茶と一緒に飲む文化もあるようで、そこの相性のよさに目を付けて、今回はセットでプーアル茶も使用しました。
―プーアル茶自体にも、お花っぽいいい香りがある!
そして、ホーリーバジル。
―名前だけ聞いてたから、ホーリーバジルって何?バジルって葉っぱのハーブじゃないの?って思ってたから、予想外の外見!そして香りがすごい!ローズマリーとかそういう感じの香りがする...!
少しの量でも香りがすごいですよね。これは、入れすぎてしまうときつく感じてしまうのですが、少量いれることで香りのアクセントとして組み込んでいます。
―いい香りすぎてずっと嗅いでいられる...!
4.香り高く、凛とした豊かな味わいの特別酒
―そんな花茶たちがお米の発酵で生まれたのが、こちらなわけですね。
そうです。素材が単体でも魅力のある質のよいものをつかっている分、造っていてプレッシャーもはんぱなかったです。
その素材たちを引き立てられるように、凛として気品高く、また素材にあわせた米の味わいが心地よいお酒を目指しました。
―繊細なお花の香りと、お酒は、絶妙なバランスで成り立っているのね。飲み口がやわらかい!
今回は甘さも残しているので、まるで花の蜜を味わうかのような感覚もあると思います。
また生プーアル茶はとても樹齢の古い茶の木から造られるのもあり、複雑で豊かな味わいも特徴として持っているので、香りだけでなく味わいも楽しんでいただけるのではないかと思います。最後はホーリーバジルのスパイシーな感じとともに味わいを切ってくれるので、単体でも飲みやすいバランスになっていると思います。
祝いの花茶をコンセプトとした特別酒なので、なにかお祝いのシーンでゆったりと楽しんでいただきたいですね。
―はやく皆さんのお手元に届けたいね!今日はありがとう!
いかがでしたでしょうか!
本日ご紹介しました創立3周年記念酒は、7/23(金)18:30より発売を予定しております。
今年も通常版の火入酒とは別に、生酒もご用意しちゃいました!ボタニカルSAKEならではの香りの高さを体感いただけるはず!
創立3周年記念酒 recipe no.067
【醸造年度】令和三年酒造年度
【製造年月日】R3/7/19(醸造期間:6/13〜7/16、上槽7/17〜7/19)
【原料米】つや姫(山形県産)
【副原料】生プーアル茶、ジャスミン茶、菊茶、ホーリーバジル
【使用酵母】協会6号酵母
【製造方法】高温白麹酛 水出生普洱茶仕込 三種花茶仕上/Botanical/Non-Filtered
【アルコール分】15度
【杜氏】戸田京介
▽創立3周年記念酒 recipe no.067(火入酒)
▽PROJECTの全貌はこちら
三軒茶屋醸造所創立3周年PROJECT
Text by Saki
東京都出身。幼いころより生き物に囲まれて育ち、生命の奥深さに魅了されバイオテクノロジー系の大学に進む。理系資格を活かし医療機器メーカーに入社したものの「好きなものを支え伝えたい」と一念発起し、2019年2月WAKAZEにJoin。広報、SNS、コンテンツ、営業などを担う。誰よりWAKAZEのお酒が好き。
Twitter:@saki_wkz